B2B決済プラットフォーム開発事例:構想から初年度4,100万ドルの決済処理へ
米国の建設業向けB2B決済プラットフォームを4か月、118,000ドルで構築した導入事例です。公開後の初年度に4,120万ドルの決済を処理し、処理エラー率は0.02%でした。
建設プロジェクトの下請け業者は、支払いを受けるまで60〜90日待たされます。元請け業者は、1つのプロジェクトで数十社の下請け業者への支払いをやりくりしています。支払条件、保留金(リテンション)の要件、リーエン・ウェイバー(先取特権放棄書)の手続きは業者ごとに異なります。それをスプレッドシート、手作業での小切手発行、電話でこなしていました。
創業者の構想は、元請け業者が下請け業者への支払いを契約から支払いの実行まで1つのプラットフォームで管理でき、コンプライアンス書類の処理が自動化され、支払い方法も柔軟に選べるというものでした。技術要件は厳しいものでした。独自の分配ルールを持ち、複数の支払い方法に対応するStripe Connect決済。リーエン・ウェイバー、保険証明書、契約条件、保留金の計算がすべて確認できるまで支払いの実行を止めるコンプライアンスエンジン。元請け業者、プロジェクト、下請け業者の多対多の関係を整理したデータモデル。そして、公開時点からSOC 2に備えた完全な監査証跡です。
予算の上限は15万ドルでした。210万ドルのシード資金は、開発だけでなく、営業を含む18か月分の運営費にも充てる必要があったためです。
2〜3か月目に、プラットフォームの中核を構築しました。元請け業者向けのダッシュボードでは、未払いの支払い、今後の出来高払い、期限が近いコンプライアンス書類、監査記録の付いた支払い履歴をリアルタイムで確認できます。下請け業者向けのポータルでは、支払い予定の確認、書類のアップロード、支払い状況の追跡、銀行口座の管理ができます。
コンプライアンスエンジンはルールベースで、判定の内容が明示されます。支払いを実行する前に、リーエン・ウェイバー(署名済みか、金額と期間が正しいか)、保険証明書(有効期間内か、契約上の最低基準を満たすか)、契約条件(出来高払いが予定と一致するか、保留金が正しいか)、それまでの支払いの決済完了を確認します。すべてのルールが合否と具体的な不合格理由を返すため、元請け業者は、どの支払いが何で止まっているかを正確に把握できます。保留金は通常、支払いごとに5〜10%が留保されます。これを下請け業者別、プロジェクト別に管理し、解放するときはコンプライアンス確認を通した独立の支払いとして処理します。
4か月目はシステムの堅牢化です。Stripeの実際のテスト取引を使い、5日間のACH決済、失敗、返金、複数の下請け業者への分配を含む支払いフロー全体をテストしました。決済の途中で書類の期限が切れる場合や、出来高払いの一部だけを支払う場合などの例外ケースも検証しました。インフラはSOC 2に対応できる状態(監査ログ、RBAC、暗号化ストレージ、文書化した変更管理)に整えましたが、時期尚早な認証取得は行っていません。第三者によるペネトレーションテストでは中程度の指摘が2件あり、公開前に修正しました。
初年度の実績は、決済総額4,120万ドル、取引3,847件、1件あたりの平均は10,710ドルです。元請け業者67社、下請け業者412社が利用しました。決済処理のエラー率は0.02%で、失敗した支払いは1件です。原因は銀行からの返戻で、プラットフォームによるものではありません。コンプライアンス書類の自動確認の精度は94.6%で、残りの5.4%は人による確認に回しました。稼働率は99.97%でした。
元請け業者にとっては、支払い処理が小切手の発行にかかっていた3〜5営業日から、当日または翌日のACH送金に変わりました。下請け業者の売掛金回収日数(DSO)は、平均67日から12日に短縮されました。
初年度の取扱高とプラットフォームの手数料体系により、プロダクトマーケットフィットが示されました。創業者はシードラウンドの14か月後に、620万ドルのシリーズAを調達しました。MVPは4か月、118,000ドルで完成し、継続的な開発とサポートを月額8,500ドルで続けています。
ほとんどの開発会社からは、決済プラットフォームには8〜12か月、30万ドル以上かかると言われました。Gigabitは4か月、14万ドル未満で納品し、プラットフォームは決済エラーを1件も出さずに4,100万ドルを処理しています。複式簿記の台帳、冪等性、コンプライアンスの自動化。これらは、フィンテックを普通のSaaSと同じように扱うチームからは出てこないものです。Gigabitは、決済では信頼性は機能の1つではなく、プロダクトそのものだと理解していました。
公開している導入事例は主に北米の企業のものです。金額はすべて米ドルです。社名は匿名にしています。


